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2児の母。英日翻訳&執筆。ヨガ好き。ベトナム語勉強中。ベトナム ハノイでの駐妻生活など。

ハノイでの出産体験記

予定日を1週間前にしたある日の昼下がり。ソファーから立ち上がってみると、ソファーカバーが濡れている。「これは!」と思い、すぐにタクシーで病院へ向かう。

 

だが実は、出産かもと思って病院に駆け込むのはこれで3回目。「また来たの?」といわんばかりの助産師さんの視線が痛い。。。

 

そしてベトナム人医師による羊水反応は残念ながら陰性。けれども、羊水じゃないとも言い切れなく、出血もあるということで分娩室でそのまま入院することになった。そしてこれが、長い1日半の始まりだった。

 

Day 1 13時: 病院へくる。羊水反応検査(陰性)。

           15時:  NSTモニターをお腹につける。微弱陣痛あり。

           19時: モニターで陣痛が強まっているものの、痛みなし。。。

   21時: 赤ちゃんが下がってきてくれることを期待し、1階から4階まで階段を登り降り

            22時: 変化なし。。。

 

ここで就寝しようとするものの、周りの分娩室(10室以上ある)から聞こえるのはうめき声、さらには、妻?に叫ぶ男性の声。。。そもそもベッドが分娩台なので、気持ちよく眠れるわけもなく、何度も目が覚めながら朝日が登る。「朝になってしまった。」

 

Day 2 7時: NSTモニターで、陣痛の強度が下がる。陣痛がほぼ消えてしまった言っていいほど。。。

           8時: 主治医のロシア人の先生が来てくれる。陣痛誘発剤(点滴)を使用したいか聞かれる。

           8時半: ダンナにLINEで相談し、誘発剤を使うことを決断。

   10時: やっとナースの準備が整い、誘発剤の点滴開始。

     11時: それでもなかなか陣痛がこないので誘発剤を増やす。

   12時: ナースの指示で、部屋に置いてあったバランスボールを使って運動。。。

   15時: 誘発剤の効果がモニター上で現れるものの、痛み全くなし。。。

                     そのためロシア人の先生と再度相談し、人為的に羊膜を破る。

   その5分後: お腹に鋭い痛みが走る。「痛っ~。。。結局、昨日のは破水じゃなかったのか。」

   10分後: 痛くて座っているのがつらいので、病室外の壁のレール沿いに歩いてみる。「麻酔する?」という先生の問いかけに、「いや、まだ大丈夫です」と回答。

    16時: ナースがNSTモニターをつけたいと言うので、ベッドに横になる。とても痛い。。。

 

1人目の出産時は麻酔を使わずに分娩したため、今回も使わずにいけると固く信じていたが、異国で一人で向き合う痛みに心細くなり、さらには「子宮口がまだ4センチ」との先生の話に心が折れ、麻酔(無痛分娩)にしてもらう。

 

    16時半: 麻酔科の先生が到着。英語が上手な男性の先生。

        5分後、麻酔が効き、痛みと心細さから解放される。

        

    17時: ロシア人の先生が夜のシフトの先生と一緒にくる。

      「少しゆっくり休んでね」と部屋を暗くし、先生退室。

    

    15分後: 麻酔が効いているはずなのに、ミシミシとした痛み。

 

「これは赤ちゃん下がってきている!?」と思いナースコールを探すが、麻酔の線やら心拍を計る装置の線やらで、見つからない!

 

結局、「エムオーイ」(レストランでウェイターを呼ぶときに使うフレーズ)と叫ぶ。。。

 

走ってかけつけてきたナース?医師?が私の状態を見るやら焦って他のスタッフも呼びに走る。すぐさま3人ほどの医師とナースが来て、慌ててベッドを分娩仕様にセットする。

 

    17時20分: 医師よりいきみ方について英語で説明を受ける。

     17時28分: 助産師が「つぎにいきんだら赤ちゃん出るからね~」という。

    17時30分: 赤ちゃんがすんなり誕生!

         結局、陣痛3回分いきんだだけ。

 

出てきた赤ちゃんを助産師がポンと私のお腹に置く。

「あぁ~~~~。無事生まれてきてよかった。」

4キロ体重が減ったツワリ、ツワリ終盤にかかった胃腸炎、4か月目での切迫流産、そしてその後の運動禁止期間。長くてつらかった妊娠生活を思い出し、おもわず涙がこみあげる。

 

その後、赤ちゃんはタオルで拭かれ、体重測定を受け、カンガルーケア。

 

     19時半: 会社から帰宅したダンナが2歳の長男を連れて分娩室に来る。

         長男を抱っこするために歩いているところをナースに見つかり、叱られる。(麻酔をしていたから?次の日には退院させられるのに。。。)

 

こうして、海外での出産を無事に乗り切ることができたのでした。

 

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