ベトナムを知る本『サイゴンのいちばん長い日』
「ベトナム。いったいどんなところなんだろう? 」
夫の出向が決まってからまず初めに読んだのはこの本でした。
著者は新聞記者とあって本当に書き方が上手。暗い題材を扱いながらもユーモアを織り交ぜ、サイゴンが陥落したその日の出来事を臨場感たっぷりに描いています。まさに、読んでいて飽きない "Page Turner"。
ベトナム(ハノイ)にやって来て3年目のいま。ハノイの若者たちにはベトナム戦争が残した悲壮感などカケラもみられません。ベトナム戦争当時に激戦地だった中部の都市ダナンはいまや高級リゾート地。だけれど、この国で「何が起こったか」は知っておくべきだと思う。
本書によると、サイゴン占領20時間後にはすでに果物売りのおばさんが道端で営業を再開していたそうです。本書から垣間見えるのは、たくましいベトナムの人々の姿。時代は変われども、それは変わらないように思えます。
続編、『サイゴンから来た妻と娘』もおもしろい。